ピー、ピー、ピー、ピー
午前7時。 床に色々と物が転がった四畳半ほどの部屋に時計のアラームが鳴り響く。
ガチャッ!!
布団から伸びた手が乱暴に時計を叩き、アラームを消した。
「もう朝かよ・・・。まだ3分くらいしか寝てない気がする…。」
入学式から3日。毎朝同じことを言っている。
クラスの奴らの名前はまだほとんど覚えていない。
辛うじて自分の周りの奴を覚えただけだ。
前のみつあみデブは加藤美咲(かとうみさき)。
右のギャルは伊勢紅葉(いせくれは)。
左の前髪男は白河隼斗(しらかわはやと)。
後ろの奴は未だに学校に来ていない。
あと分かるとすれば幼なじみの雪澄理奈と入学式で会ったボブ・ブローズだけだ。
入学式とは違い、今日は遅刻しないように起きた。
駅に着くとホームで理奈がケータイをいじっていた。
健助「おはよっ」
理奈「あっ おはよ〜 今日はちゃんと来たねぇ」
理奈がこう言うのもムリはない。
健助は入学式から昨日まで遅刻し続けたのだ。
健助「俺だって来る時は来るさ!」
理奈「入学式で遅れたのにそういうこと言う? フツー。」
健助「・・・・・・あ、電車来た!」
理奈「話をそらすなぁ!!」
理奈は怒りながら頬を膨らませた。
俺はそれを見て少し微笑んだ。
いつも繰り返しの生活も誰かと喋っていると楽しくなる。