不思議な魅力を持つ
君の話し方
君の大きな笑い声
君の言う冗談
君のたまに見せる寂しそうな表情\r
誰もが君に惹かれて行くのだろう
男心を上手くくすぐる
紛れも無く僕もその一人だろう
ただ君は優し過ぎる
いつも笑っていてくれた
無神経とは違う
むしろ気を遣い過ぎる所がある
自分の本音を押し殺して相手を傷付けないように君は笑っている
そんな君の優しさに甘え
僕は何度もきつく当たった
沢山傷付けるような言葉を言った
一瞬落ち込んだ表情を浮かべてもすぐに『ごめん』と明るく言う
君は悪くないのに
どうしてそんなに我慢をするのだろう
嫌なら嫌と言えばいいのに
もっと我が儘を言ってみればいいのに
どんなに傷付いているか
どれだけ負担になるか
本当は疲れるだろうに
君を見ていると自分が情けなくなる
君が出来過ぎているからか
君の強さに負けてしまうからか
君と繋がる事よりも自由を選んだ
確かに君が好きだ
でも君が手に入る予感がした途端に何故か違和感を覚えた
側に置いておきたいけれどきっと今よりも君を傷付けてしまうような気がした
大切にしてくれるから
沢山好きでいてくれるから
そんな君の想いにもっと甘えてしまう
僕もしばらくは一人でいよう
君にはもっと釣り合う人がいるはずだから
僕が出した答えをすぐには受け入れなかった
わずかに見せた君の我が儘
涙も見せずにただ俯いた
『ごめん、今は一人でいたいから』
と自分勝手な言葉でまた君を傷付けた
君が何も言わないから何度も謝ってしまう
そんな僕の口を塞いで君が僕を見上げた
『ありがとう』
そう一言言葉にして笑った
『おかげで楽しかった』
その声が優しく響いた
口元は笑っているのに目には零れそうな程の涙を溜めていた
無理せず泣いていいのに
相変わらず君は優しいから
僕を困らせないように最後まで懸命に笑っていた
本当は僕が君に伝えるべきだった
『ありがとう』