中宮は少し考えて皆を集めて言った。
「みんな聞いてくれ。真中がバスケ部のマネージャーをやりたいと言ってくれてるんだ。」
翔人や大和はすんなり受け入れたが、亮介は何か考え深げに言った。
「マネージャーやるっちゅうことは何か理由があるんやろ?」
桜はその言葉に答えるように口を開く。
「私は中学の頃にバスケ部に入ってて、バスケがすごく好きでした。」
桜は顔をうつむけ続ける。「でも、試合で肘を痛めてもうバスケが出来ないって言われました。」
翔人達は言葉を失った。桜は顔を上げる。
「でも、柊木くん達が楽しそうにバスケをしているのを見て力になりたいって思ったんです。」
しばらく沈黙があり、翔人は桜の前に手を出した。
「ありがとう。真中さんがそう思ってくれてよかったよ。」
そして間を置いて言った。「ようこそ。西条高校バスケ部へ!!」
桜は笑顔で翔人の手を握った。中宮も嬉しそうに見守っていた。
沈む夕日が体育館の中を射すように流れていった・・・・・