加法定理ってなんだよ、と数学の時間僕は１人で心の中でツッコミをいれていた。空は今日も良い天気だ。朝の１時間目から数学は拷問だ。 『え〜このあたりは少し難しいけど覚えておくように！』 先生は必死に生徒に教えていた。しかし3分の1の生徒はすでに意識がどこかへ飛んでいるようだった。2年生になったばかりの初めの頃に先生がやる気のない生徒5〜6人に『やる気のないやつは授業受けなくていいから。欠席扱いにしないからこの教室から出ていけ！』と言ったところその生徒達は嬉しそうに教室から出ていってしまい、先生は本当に出ていってしまったことに驚きを隠せない表情をして頭を抱える事件が起きた。あれ以来先生はやる気のないやつは放っておくという政策をとっているらしく、眠っている生徒には何も声をかけないようにしているみたいだった。 『スゲーつまんない授業だよな。よくあんなので金もらってるよな？』 数学の授業が終わると椎名が声をかけてきた。 『先生だって頑張っているんだよ、そんなこと言うなって』 僕も椎名と同じようなことを思っていたが先生の悪口は言わず、先生をフォローするようなことを言った。
[984] 
[0] 
[0]
