「うおおぉ！」ユータを渦巻く無限の力が真空の刃に重なってぶつかり合う。
激しい爆風と衝撃が辺りを支配して目を開けているのがやっとだった。
「ユータの力が倍増してる…一体なぜ…」ミホシは頭で考えていたが激しく頭をふると腰のポシェットから煙幕玉を取り出した。
「ユータ！今のあんたじゃシンキに勝てない…今は一旦ひくよ」バシュッという音共に視界を煙りが遮った。「こしゃくな！」激しく怒りをあらわにするシンキの煙りが晴れた時には、すでに四人の姿はなかった。
「ユータ！エリナとリミスを安全なところへ！」ミホシは札のついた矢を弓につがえると素早く壁に何発も撃ち込んだ。
「な、何をするんすか」覚醒の力になんとか堪えながらユータはミホシに尋ねた。
眼鏡をクイッと押し上げると素早く印を結ぶ。「流進退逆鱗刀曝?ケッカ曝滅?」素早く振られた右の指に反応して札が爆発し、壁が崩れていく。
「さぁ〜！逃げるぞぉ！」全力で逃げる二人の後を土砂が迫ってくる。
勢いよく飛び出した二人の後ろの穴が、完全に塞がれてしまった。
「なんとか…みんな無事みたいね」汗を掻きながらみんなを見渡したミホシがそういった。
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