「最後に一つだけ…この国の創設者ジャビネス様はなぜあなたを鎖で封印し、その誰も分からないような部屋に押し込めたのですか?」
…それを答える訳にはいきません。
「え…どうしてですか?」ロイは怪訝そうな表情で、エリクシオンに尋ねた。
…さて、もういいでしょう。砦に行きたい人はロイに掴まりなさい。そうでない人は離れていて下さい。
「…」
「ロイ、返答はどうだったの?」
「…答えたくないそうだよ」
「やっぱりね」
リリーは首を横に振って、呆れたような表情を見せた。
「それと、今からターンするみたい。行きたい人は僕に掴まらないといけないらしいんだ」
「そうか…両手は塞がってるから…」
ルイスはそれを聞いて床に座り込むと、ロイの足に掴まった。
「なら私は…」
リリーはそう呟いて、ロイの背中に抱きついた。
「…」
ロイは四人が自分に掴まっている状況を意識すると、様々な場所から感じられる柔らかな感触に、一瞬、クラクラしそうになった。
一人の男の子に三人の女性…夢のハーレムの完成ですね。
「だあああ!余計な事を言わんで下さい!」
ふふふ…それでは、ターン!
その瞬間、五人の姿はあっという間に部屋から消え去った。