赤い小説。

VEGO  2008-12-14投稿
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「・・・疲れた…。」

ファミレスのバイトが終わり、家のベッドに倒れこむ。

女の一人暮らしには丁度いい広さのアパートだ。

そして何気なくケータイを手に取りホラー系の小説サイトを開く。

幾つも並ぶ題名のなかに一つだけ赤い文字の題名があった。

無題。

気になって開いてみると、こう書いてあった。

『死にたくない方は一番下の画像は絶対に開かないで下さい。』

人間という生き物はするなと言われるとしたくなるものだ。
ましてや何人もの人が見るケータイのサイト。
本当に死ぬなら大事件だ。
下に進んで行くと確かに画像が貼ってあった。

ちょっとした好奇心の他には何の感情もない。


決定キーを親指で押す。

「・・・えっ!?」

急に画面が切り替わり、インカメラが作動した。

カシャッ

暗い部屋に無機質なシャッター音が響く。




翌日、遊びに来た友人がベッドの上の彼女の遺体を発見する。

眼球が無かった。

警察がケータイを調べた。
そこに写っていたのはドアップの彼女の顔と、画面右上の隅にいる血まみれで眼球の無い女の姿だった。

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