雪の華?

龍王  2006-06-24投稿
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白藍は見合いの席につく前に、朱斐を強引に連れ去るとタクシーに乗り移動し、湖もある広々とした公園に来ていた。

「ん〜空気も綺麗で天気も晴れ…やっぱ外がええな♪」
「ιあの…しゃべりかたが…」
「ああ…癖や…すまんな」

二人は湖の脇の道を歩きながら話をしている。

「親父の命令で未来の花嫁に会え言われて楽しみにしてたんや…あんたは?」
「わ…私は…その…」
「正直に言えばいい…乗り気じゃない?」
「な…んで?」
「顔…さっきの曇った顔見たらよく分かる。あんた…断れんかったんか?見合い…」
「ち…違う!」
「なら…なんで?」
「わ…私は…あなたに会いたかったから…」

白藍がそれを聞いて、一瞬驚くと嬉しそうに笑った。

「ありがとう」
「──……白藍……変わってる…聖夜に似てる」
「聖夜?誰??」
「私の付き人…あなた見たいに自分に素直な人…羨ましい」
「?朱斐かて今からでも素直になれるで?」

朱斐は首を振る。

「私は……なれそうも無い。なりたいとも…もう思えない」
「?…何か…ようわからんけど…俺の前だけでも素直になったら?」
「──……白藍は…優しいのね」
「よー言われる」

朱斐が笑みを溢した。

「あっ笑った方が可愛いで…」
「Σ///」

朱斐が不意の言葉に照れて顔が真っ赤になる。

「俺は割りとあんたが気に入ったけど…朱斐はどうなん?」
「──……」

白藍の真っ直ぐな瞳を直視しながら、白藍の誠実な態度に戸惑っていた。
一瞬頭の中で黒峯の顔が浮かび消えた。

「ご…めんなさい。私……好きな人がいるの」
「な…なんや…そうか」

白藍が落胆する。

「でも…その人婚約者がいて…私の事好きにはなれないって言ったの…」

朱斐が目線を下に向けると、声の震えを必死に堪えながら言った。

「そうか…辛いな」

白藍の言葉に、朱斐は胸をうたれ我慢出来ずに涙が流れた。

「わっ朱斐」
「フッ…ウッ」

朱斐は涙が止まらず、白藍はそんな朱斐に優しく接する。

「朱斐…そいつを好き続けるより俺と新しくはじめんか?」
「白…藍…」
「なっ?ええやろ」
「でも…白藍に…悪い」
「気にすんなや!まぁよろしく!朱斐」
「…」



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