贈りもの-6-<緊張>

So-n  2008-12-15投稿
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ピーピーピー!ピーピーピー!

毎朝同じ時刻に同じ音で起こされる。

幹弘はだらけた様子で体を伸ばす。

と、同時にガバッと勢いよく立ち上がった。


(ついに来た!)


(ついに来たんだ!!)


幹弘は手際よく準備をする。顔を洗い、パンをかじり、服を着る。

服は昨日から決めていたものだ。この日のために買い物までいった。

ジーパンを履く。
店員に、足を長く見せる効果があると言われて買ったものだ。

清潔感漂う白いシャツ。

黒いコートを羽織る。
これは身長を高く見せる効果があると言われた。


服装の効果に頼らなければならないとは…幹弘は自分の必死さに笑った。
そんな必死な自分を少し可愛く感じる。



「よし!」

幹弘は洗面台の鏡を見ながら渇をいれた。



冷たいドアを開いて冷たい空気を浴びる。


いつものコンビニも素通りし、ひたすらキシリトール配合のガムを噛む。

緊張で心臓が飛び出そうだ。

それを誤魔化すかのようにガムを噛む。早く歩く。


早く歩きすぎで予定より早く着いてしまった。

とはいっても5分程なので、幹弘は予定していた場所に立った。



1分経つ。

2分…

3分…


1分1秒と時計の針が動くたび、心臓が飛び出るのを我慢した。


そして・・・




「あら?おはようございます。」


振り向くと、藤子の少し驚いた顔があった。


「お、おはようございます」

幹弘はどもった事にも気づかず、心臓を飲み込んだ。

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