7:55
彼が帰って来た。
まさかちゃんと来るなんて25%くらいしか思ってなかったから、すごく嬉しかった。
寝付いたのは朝陽を確認してからだった。
帰って来ないと思いこんでメソメソ寝てたくらいだから
「9時出発って言うたのにまだ寝てたの?」布団をはいで彼が言った。
「紅茶〜」
普通に嬉しかった。
「ぬくっ! 布団ぬくっ!」声が聞こえる。
あたしが彼の方で寝てたから…
一人の時はいつも彼側で寝てるから
お湯を沸かしながらコンタクトを着けに洗面所へ向かうあたしは、彼が寝てしまわないか心配しつつもかなりニヤけていたと思う。
紅茶を飲み、セックスをして、急いで出かける準備をする。
眠れなかったけど、セックスしたせいか眠くはなかった。
「朝からセックスしたからご機嫌やな」
車の中で彼が言った。
セックスしたからじゃなくてちゃんと来てくれた事が嬉しかった
けど、彼が彼女に会いに行く明後日の事はずっと端っこに残ってる
仕方ない
仕方ない………
土日は一緒にいられる
大丈夫
ずっと一緒だから
大丈夫、大丈夫
呪文のようにくり返す
けど、その日は当たり前にやってきた。
彼女に会いに行く1時間くらい前、会社を休んで部屋に残っていたあたしのところに帰って来た
今日はもぅ会えないから適当にぐだぐだして帰ろうと思っていたから嬉しかった
だけどちょっと複雑
今から、ここから彼は彼女に会いに行く
「いつ出発?」
「○時過ぎかな」
キスをする
彼女の笑顔が浮かんで消えた
来週は仕事が忙しいから会えない
わかっていた事
だから今会えている事が嬉しかった
時間が来て彼は出かけて行った。
「今日はもう会えない?」
「わかんない
夜中なら行けるかも
メールする」
そう言ってキスをして出かけていった
0時をまわってもメールはこなかった。
お泊まりになったのか
忙し過ぎるのか
寝てしまったのか
わからない
「もう帰るね」
1時間前に送ったメールにまだ返事はない
帰ると送ったくせに、まだ待っている
いつまで待ってしまうのか
わからない
今日会えないとしばらく会えない
寂しい
会えなくてもいいからメールの返信して欲しいよ………