忘れられずに健輔の事を思ってはいたけれど…私はこうちゃんと付き合っていた。
やっと健輔とこうちゃんの存在が逆転してくれるんじゃあないかと思い始めていた頃…健輔が入院したと聞いた。
健輔に連絡をした…しなきゃよかったと直ぐに後悔。
私の記憶の中にある健輔の声…その声ではなかったから。
弱々しい…その声は確かに健輔だったけど、私の知ってる健輔ではない。
『悠里?』
その弱った健輔の声を聞いて心が重く、痛くなった。
『久しぶり…健輔何してんの?入院なんて!今ままでチャラチャラしてたバチが当たったんじゃない?』
強がって余計な冗談で誤魔化すことしかできなかった…涙が溢れていたから。
『俺はなんもしてねーよ!人をいい加減なやつみたいに…ひでぇな…久々に連絡してきてそんな事…いいやがって…。悠里俺の事まだ好きだろ?』ふざけた口調は昔と変わらない…私の知ってる健輔だ。
『ちゃんとした彼いるもん!』
『おっ!そりゃぁ…安心…俺……だったんだ…ずっと…』
更に声が小さくなる…
聞き取れない。
『悠里ごめん…しんどいからまたかけるわぁ…じゃあな。』
3年ぶりの会話は28秒で
終わった。