「君も俺のライブ観に来てくれたんだよね」
それが恵子に対する古賀の一声だった。
古賀が恵子と久しくなったのは、そのライブの次のライブのときだった。
ライブは、いつものように終わり、古賀が外で一人でいた恵子を打ち上げに誘ったのがきっかけだった。
「確か−恵子ちゃんだよね?」
古賀は恵子を見るなり尋ねた。
「はい、よく覚えてくれてましたね」
恵子は照れ臭そうに言った。
「恵子ちゃん、これから、打ち上げやるんだけど野郎ばかりでさ、ちょっと花添えに来てくれるかな?」
「私なんかが行っていいのかな」
恵子は戸惑いながら言った。
「もちろん」
そう言われた恵子はうれしくてたまらなかった。