健輔とそれから電話で3回…短い会話をした。
病名、病状…一切自分の事は健輔は話をしなかった。
私は出来るだけ明るく話をした。
『看病してくれる彼女がいるんでしょ?』
と私の質問には…
『いねーよ…』
答えはそれだけだった。その時はなんだかよく分からないけど…それ以上聞いたらいけない様な…そんな空気が流れる口調だった。
3度目の電話…
『悠里…俺…お星様になって見てるからな。
他の男と一緒にいるのは気に入らないけど…まぁ仕方ないからなぁ。』
『お星様になるなんて……』
まずい…泣いてしまった。泣いているのが健輔にバレた。
でも怖くて仕方なかった…健輔の言葉が…お星様になる…死ぬ…健輔はわかってるんだ…。
私の泣き声が健輔に届いてしまった次の瞬間…
『悠里、もう電話してくんな!』
急に力強い声で怒鳴るように言われた。
『なによ…』
涙は止まらなかった。
『じゃあな。俺ずっと思ってるからちゃんと幸せになれよ。』
一方的に電話は切れてしまった。
これが最後の健輔との会話だった。
その時は最後になるなんて思っていなかったけど。