『もちろん、成沢も来いよ。
どうせなら2人まとめて京谷に、た〜っぷり可愛がってもらわないとねぇ。
お2人さんっっ♪』
成沢さんは、青山さんの青ざめた表情を見て不安になったのか、
ガタガタ小刻みに震えていた。
青山さんも、
成沢さんも、
さっきまでの威勢の良さは一体どこへ行ったんだろう。
きっと、
このヒト達も、
本当は弱い人間なのかもしれないと思った。
そして、
こんなにも、この2人を怖がらせる人――
京谷さんて一体、どんな人なんだろう――
『奈央ちゃんと秋田谷さんは、もう教室に戻りなよ。
後は、あたしと聖人にまかせて。
ねっっ?!』
こっそりあたしの耳元で囁いた、ミズホさんのお気遣いの言葉が嬉しかった。
それから、
ミズホさんと青山さん、成沢さんの3人は、
足早に、この場所から出て行ったんだ。
し〜〜〜〜んっっ‥‥‥‥
3人が出て行くと、
辺りは一気に静寂に包まれた。
『ユ‥‥ユカァ?!』
あたしからの第一声。
『何?!』
答えるユカも、緊張から解放されて、ホッとした様子。
『‥‥い‥行っちゃったね?!みんな。』
『うん。』
『ねぇ‥ユカ、どうする?!』
もしかして、
お互いに考えてるコト一緒?!
コワイモノミタサ。
『‥‥あたし達も‥‥‥行っちゃう?!奈央。』
お互いに顔を見合わせた。
『そうしよっか?!』
あたし達は、聖人と京谷さんの待つ正門前まで行ってみるコトにしたんだ。
そうと決まれば、急がなくっちゃね!!