学校にいる立を見て、すぐわかった。立の周りにはたくさんの仲間がいて、小学校のときと変わらず人気があった事。
しほは立との約束を守らなかった。
だって、学校でなんの写真を撮るというのか…
偽りの
うわべだけの友達
一緒にいてもちっとも楽しくない仲間。
みんないなくなっちゃえばいいのに…みんなしんじゃえばいいのに…お兄ちゃんにそぅ話したら、じゃあお前がま死ねばいいんだよ。みんなが死ぬなんてむり。でも、お前さえ死ねばお前の世界はおわるから。
立に函館にいた頃とは、すっかり変わってしまったしほを知られるのが嫌で写真も送らなかったし、電話に出ることもしなくなった。
その頃くらいだった…
父親の虐待に気付いたのは。
兄も転校で荒れて、笑顔はなかった。しほが夕飯のとき何か話そうとすると、「お前は黙ってろ!しゃべんな!」って…
そういう兄も嫌いだったし、そのやり取りを見てみぬフリをする母、父親の虐待を伝えても…そんなわけないじゃないと信じようともしない母はもっと嫌いだった。
みんな嫌い。
しほはひとり。
もぅどうでもいい。
なんで生まれてきたんだろ…あたし。
この頃、立を信じることをあきらめなきゃ、これからの人生だいぶ違っただろうな。立は救いの手を差し延べてくれていたのに…甘えればよかった。泣き付けばよかった。助けてって言えばよかった。