昔は両親のケンカがたえなかった。幼心にもその光景は苦痛に感じた。
そんな時、いつもお守りをしてくれた。おやなさん。
いつも笑顔で小さな僕を抱き抱えてくれていた。
小学生になったある朝、おやなさんは出掛けようとする僕をかたくなに引き止める。
おやなさんの言うこと聞いて、いつもより一本後の電車ででかけた。
すると駅は大混雑。
自分がいつも乗る電車が脱線事故を起こしたそうだ。震えが止まらない。
おやなさん…?
家に帰りおかあさんにその話をした。
おとうさんにも同じように話をした。
すると両親の返答は「おやなさんて誰?」だった。