だが、こんな悲しみの中、坂木家には逆に純を守らなくてはという気持ちが父を始め母と京子にも芽生えていた。
本当に純のこれからどうなるか誰にも分からない。
それだけに家族一丸となっていかなくてはいけない。
時は無情にも過ぎていき、純が病院へ行く時間が遂にきてしまった。
「純、そろそろだな」
口数の少ない父が口を開いた。
純は涙を拭い頷いた。
「心配するな。お父さんやお母さん、京子がいるんだ。お前一人じゃないんだからな」
純は、それを聞いて強く頷いた。