「いくらなんでもそのまんま過ぎだろ…」
「え、ダメかな。最近読んだ漫画でそういう感じの人が居たから良いかなって思ったんだけど」
「あれは男だっただろ。それに、いくら素性不明な所が似てるからってそう安直に決めるもんじゃねぇだろ」
「じゃあナナちゃん」
「それも安直すぎだろ…」
「うーん…じゃあシナちゃん」
「…お前はそろそろ名無しというワードから離れろ」
「じゃあ、ナシナちゃん」
「…怜、何か良い案は浮かばないか？」
「うん？」
このまま麻衣に任せてたら素晴らしく前衛的な名前が付きそうだからな。
「あんたは何かないの？」
「俺か？そうだなぁ…。……怜さんやっぱ貴女が決めてください」
「？何よ、何か思い付いたの？」
「いや、どうかお気になさらずに」
「…あ、そう」
……いや、思い付いたは思い付いたんだけどさ…。
……はぁ、俺やっぱり麻衣の兄なんだなぁ。
「うーん、そうねぇ…」
パラパラと雑誌を捲りながら怜はそう呟いた。
おいおい、それから取るのかよ名前。
「ダメ、全然良いのないや…」
そう言ってパタンと雑誌を閉じた。
「しょうがないわね…取り敢えずこれについては明日考えることにしましょう」
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