授業は正直しんどい。
2年になってから授業スピードが上がってきたからだ。
俺のコースは理系だが、文系の人は数?・Bについていけるんだろうか。
とくに、悠はついていけてるんだろうか。
あいつは推薦もあったのに、やめてギリギリ本山高校に滑り込んだくらいのやつだから危ない気がする。
理系の俺でも高次方程式や軌跡はなかなか難しいと思うからだ。
とりあえず、俺はやることやらないとな。
授業の合間をぬって、別のノートを広げる。
去年の大会のトーナメント表と成績を書き込んである。
それには悠や賢之助、慶吾の試合成績が書いてある。
悠が県ベスト8、賢之助は県ベスト16。賢之助は柔道1年目でここまでいくのは実際たいしたものだ。
そして慶吾は、少し別格だな。
夏の総体(全国総合体育大会)で県ベスト8。
11月の新人大会で県ベスト2。
ちなみに悠がベスト8だったのは新人大会だ。
慶吾はすごいやつだ。
そして俺の成績。
夏の総体、県2回戦負け。それで終わりだ。
新人大会は出なかった。
自分でも情けなかった。
俺の夏の総体、相手は無名高の選手だった。
余裕で勝てると思ってた。少し手こずっていたときにきた一本背負いに反応できていた。
なのに、そのとき俺は投げられた。
そのとき、あの日の負けが俺に与えた大きな影響を俺は初めて知った。