「何笑ってるの?」
「柚希が寝てるの可愛かったから☆」
「そんなことないよ?」
「可愛いよ。世界一」
雄介はそう言うと、優しくキスをした。
チョコの味…
甘い甘い…
「柚希…」
「何?」
「写真撮ろう☆」
雄介はあたしを
自分の元へ引き寄せて
カメラを構えた。
「笑って☆」
「う、うん」
「はい、ちーず」
パシャッ
「変な顔になってない?」
「大丈夫☆可愛い」
コンコン♪
「はぃー」
ガチャッ
「あら、もしかしてぇ柚希ちゃん??」
「はぁそぉですけど、」
「看護師の大塚です。雄介クンから柚希ちゃんのこと聞いてるわよ♪」
「初めまして、桜井柚希です^^」
「よろしくね。あ、そうそう。雄介クン検診の時間よ」
「あ、ハイ」
カタン…
「じゃーな。柚希」
「うん。またね?」
パタン…
あたしはこの時気付いていなかった。
いや、分からなかった。
今日みた雄介の笑顔が、最後になるなんて…