「どこだ!?」
それが目覚めた俺の第一声だった。
俺は起き上がり、辺りを見回す。
だが、見回すかぎり真っ暗であり
何もない。
「どうなってるんだ?」
俺は頭を抱え、考えた。俺はただいつも通りに自宅のベッドに横たわり、眠りについた。いつもなら、窓から差し込む日差しと共に爽やかな朝を迎える筈。
だがそれが今、こんな場所で目覚めるとは…。
ああ、夢なら覚めて欲しい…
俺は必死にそう思った。だが、これが現実、俺はまず歩き出した。
右も左も分からないような暗闇で俺は歩き続ける…
30分ほどあるいたが、やはり何もない
。人の気配もなく、俺はとても絶望的な気持ちだった。分かることは、ここが外ではなく、室内であることだ。
室内であるならば、俺が今いる部屋はとてつもなく広大な部屋であろう。
そして、ここに入れたということは脱出も出来る筈。俺はそうやって無理矢理自分を勇気づけた。
さらに20分ほど歩き続けたが、やはり
何もない。何もかも真っ暗で見えないのかも知れないが、物体があるなら今までに一回くらいはぶつかっている筈、だが、障害物らしきものには一度も触れてない…。
「おーい!誰かいるか!」
俺は叫んだ。やはり無駄だった。
どうやらここには他に人は誰もいないようである。そして俺は必死に走った、だが走っても走ってもどこにもたどり着かない。
「くそっ、なんて広いんだ!」
俺はそう言い、走り続ける。
しばらく走って、さすがに疲れた俺は床に座り込んだ。そして、俺はこれからどうするか考えた。部屋であるなら、壁があるはず、そして壁には扉があるはず、俺はそう考えると再び立ち上がり、壁を目指して走った。
タッ、タッ、タッ、タッ
足音がこの何もない暗闇に響いた。
もうだいぶ走った、そろそろたどり着くはず、もう少しだ。
「オォォォ〜!」
バンッ!
「ウオッ!」
バタンッ!
俺は何かにぶつかり倒れた。
頭を打ったらしく、痛む。だがそれより
今、何かにぶつかった。まさかと思い俺は立ち上がり、静かに歩き出す…
そして、そっと手を出した。俺の手は今、壁と接している、ようやく壁にたどり着いた。
「よし、扉はどこだ」
俺は壁にそって歩き、扉を探した…
続く