目を閉じると今も鮮明に蘇る
初めてキミを見た時の事を…
『ねぇなんて名前?』
いつもだったら出る言葉
心臓の音がやけに響いて邪魔をして…
ねぇキミは今どこにいるの?
『ねぇってば!!』
目が覚める…
ゆめ…か…
とりあえず
『重いんだけど蒼真…』
悪戯盛りの可愛い弟は3歳。寝ている私の上にまたがって体を揺らしている…重い。
そこへバタバタと母さんが部屋にやって来た。
慌ただしいなぁ。
『ちょっと花音っ!初日から遅刻するよ!蒼真っ保育園!』
そう言うと早々に家を出て行った。
もっとゆったりやればいいのに。バタバタしてさ。朝はのんびり過ごすのが1番…
ってやばい!こんな時間!!
親が親なら…そんな言葉がピッタリ当てはまる似た者親子。私も早々に家を出た。
『初日から遅刻ですか?』
そう言ってくるのは痩せ型のボサボサ頭の黒眼鏡の男
はい…遅刻しました。
だって走ると汗かくし。『第一印章:汗くさい女!!』ってやじゃん。でもちょいブルー。目の前の生徒会長怒ってる?眉間にシワ寄せてさ。
『次からは遅刻しないようにして下さい。いくら転入生でも甘く見ないのでよろしくお願いします』
うわぁ…こんな人第一印章良く思われなくてもいいけど目付けられたくないタイプだ…
学園長すらお咎めなしだったのに。絶対彼女いない歴=年齢だ。
『聞いているんですか?』
『えっ…』
『まったく…学園の案内は終わったと言ったのです』
色々考えているうちに学園を案内されてたようだ。
『質問はありますか?』
『なっないです』
案内なんて全然聞いてなかったけど、この人とこれ以上一緒に居たくなかったので逃げた。
まだ家に帰るのには早いな…あいつの話を聞いてなかった分学園内をまわってみるか
そう思って歩きだした。創立記念だからか人があまりいない。いないはいいが…ここはどこだー!!
『まいごのっまいごのっこねこちゃん♪』
軽快な歌を歌ってやってくるのは美男美女の双子。歌っているのは男の方だけど…近づきがたいオーラを放っている二人
この学園普通の人いないの!?