病院には、父の運転で家族全員が行った。もちろん、嫁にいは行ってるが姉の京子も同行した。
純は、始めの時のような幻聴や幻覚は、収まっている。だが、純自信は、これから病院、それも精神病院という未知の世界に行かなくてはいけない。当然不安は隠せない。
そこで、そんな気持ちを察してか、父が口を開いた。
「純。お前の純という名前はな純粋に育つようにと父さんとお母さんがつけたんだ。いいか、不安かもしれないが、お前はお前のままでいいんだからな。心配するなみんないるんだ。男なんだからな」
そう言った父は、目頭が熱くなっていた。