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琉天領が、病に落ちた。
そういう報告を、受けた。
もう長くはないだろうと思った。
ペイルがうまくやったようだった。
形としては、寝返った事になっているが
まだこちらの部隊長である事には変わりない。
グリンガムは、顎鬚を触った。
自分の癖である事は知っているが、
治そうとはしたくなかった。
これも一つの個性だ。
そう思った。ペイルはそろそろ、帰ってくるはずだ。
そろそろ出陣の秋(とき)か。
護衛をしている、ガムルを呼んだ。
「何で御座いましょう。」
「明後日に出発する。全軍に伝えよ。」
ガルムは一礼して部屋から出て行った。
琉天領が、朽ち果てる時まで待つ意味はなかった。
敵が動揺しているうちに、叩いておかなければならない。
グリンガムはまた、地図を見直し、出陣の準備を始めた。