玄関から正門前を見ると、
バイクが2台停まっているのが見えた。
ドキッッ――
たぶん、1台は聖人のだから、
もう1台は、京谷さんのってコトよね?!
そして、
その2台のバイクの横に視線を移したあたしは、
聖人と、
聖人より少し高めの長身の男性が立っているコトに気付いた。
ミズホさんは、
聖人と、その長身の男性に向かい合って立ち、
青山さんと成沢さんについてのコトの経緯を説明しているかと思われ、
そのミズホさんの斜め後方に、
青山さんと成沢さんは、小さくなってうつむいていた。
『奈央。ここからじゃ、正門前までビミョーに距離があるよね?!
近くに行ってみる?!』
『そうだね。ちょうど、この角度から近付くと死角になるから、気付かれないよ!!』
正門から死角になる一定の角度を保ちながら、
あたしとユカは、
少しずつ少しずつ、
その現場に近付くコトにしたんだ。
『サオリ。テメェ許さねぇ。
俺がドラッグ嫌いなの知ってんだろがアァァ?!
どこまでヒトをおちょくれば気が済むんだテメェわあぁ???』
ゆっくりと、
ようやく至近距離に近付くコトが出来たあたし達の耳に、
突然聞こえて来たその言葉は、
まぎれもなく、
“京谷 龍二”
彼の声だった。
キレイな髪――
太陽の光に反射して、
金髪に染められたその髪は、
キラキラしてた――
聖人よりも長身の彼は、
たぶん、190はあると思われ、
まさしく、
“魔羅威夜”のアタマにふさわしい人物だと思った――