「人間の世界で作られたものじゃない？」
キャリーのある意味、荒唐無稽と言える大胆な説明に、アースルは注目した。
「じゃあ、どこで誰が作ったのか…キャリーさんは御存知何ですね？」
ジョージからの質問を受け、キャリーは質問を返した。
「北の魔界って、知ってますか？」
「確か…、遥か北の別次元に存在するって言われる世界ですね？
そこは暗く、一年中雪や氷に覆われた極寒の世界で人間を超越した住人たちが暮らしている」
「その通りです」
「あの３体は、そこで作られたのですか？」
「北の魔界を統括しているのは、スペルダーと言う魔王で、ダーヤンと言う１人娘がいます。
魔王は愛する娘ダーヤンに、３つの玩具の人形をプレゼントしたそうです。ダーヤンは人形をとても気に入って、それぞれに人間の名前を付け、命を吹き込みました」
「それが、あの３体の人形ってワケですか？」
「そうです。
キャロライン、ローズマリー、エリザベス…
いずれも魔界人の魂を持つ動く玩具なのです」
「その玩具の人形が何故、この地上に？」
「人間の世界に興味を抱いたからです。」
黙って話しを聞いていたアースルが質問した。
「失礼だがキャリー、
その話しはどこで？」
「昔、ミステリー関係の古文献を読んでました」
「是非、読んでみたい」
「僕も読んでみたい。
どこへ行けば、手に入りますか？」
ジョージは初めて耳にした情報に目を輝かせるが…
「国立図書館で見つけたんですけど、今では文献は紛失して資料１つさえ残っていません」
「それは残念だ」と、アースルはガッカリ。
「ネットで検索すれば、見つかるかもしれない」
ジョージはこう期待した。…が、
「検索しても、見つかりません」
「そう」と、ガッカリ。
ルークが深刻な表情で口を開く。
「会長、どうします？
ローズマリーを何とかしないと、大変な事になりますよ」
ジョージも同じように深刻な表情で
「資料に書いてあるように、ローズマリーは３姉妹の中で性格が凶暴です。しかも、人間をかなり嫌っている。
もしもこの人形が、外へ出て行ってしまったら大変な事態になってしまいます」
「うーん」
アースルも深刻な表情を見せていた。
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