「どう、今から俺たちと楽しい事しない?」
男はその唇を嫌に歪めながら鬱陶しい程べたべたとその汚らわしい手つきで華連の肩を触る。
その行為に怒りさえ覚える華連だが、彼女とて未だ14歳の弱々しく、可憐な女の子なのだ。
震える肩を両手で抱きながら華連は腹の底から声を振るいだそうと試みる。
「あ・・の、私はいいです。放してください」
何とか振り絞った声もそれほど強い口調にはならず、その数名の自分よりも年齢の高い男達から言わせて貰えば、どうということもないものだった。
男達は先程よりもさらに強引に華連に近付き、華連の体に触れてくる。
(嫌だ・・何なの、この人たち?)
華連はどうにかして逃げようにもすでに囲まれているような状態だった。
ここから逃げるのは男でも難しいだろう。
華連は無理に掴まれている右手に力を込めてみるが、掴まれた手を開放させるどころか、動かす事さえも出来ない。
これでは、いいようにされてしまう。
華連はどうにかして助けを呼ぼうと、大声を出す為に口を大きく開いた。
「おっと、大声はいけないなぁ〜」
後ろにいた男の手によって口を塞がれてしまった。
そのせいで華連の声は「う〜!!」としか聞こえない。
絶対絶命だと思った華連の耳・・・というよりは脳に直接的にある言葉が浮かんだ。
その言葉と共に声が聞こえた。
華連は周りの男たちも睨みつけながら、その言葉を聞いていた。
『俺が助けてやるよ』
『だから、叫べ!』
そんな言葉が聞こえてくるのだが、先ほど男に口を塞がれてしまったせいで言葉自体を発することが出来なかった。
それに、そんな変な声が聞こえてくる事、それが華連にとっては信じられない事だった。
「いい目つきだなぁ〜、ぞくぞくしてくるぜぇ〜、はぁ〜はぁ〜」
目の前にいる顎に何故かひげを生やした男が怖気も走る言葉を口にする。
「おいおい、また始まったよ、克の趣味が」
「いいだろう?別に・・人それぞれだ」
「別に文句は言ってねぇ〜よ。ただ、お前一人で楽しませねぇ〜からな」
「そぅだぞ・・前も結局お前一人で愉しみやがったじゃねぇ〜かよ」
「・・っちわかってるよ。今日は我慢してやるって」
続くよ