「…どういう事ですか?」ロザラムは鋭い眼差しをラト達に向けながら、尋ねた。
「君が殺そうとしたロイ君は今、王宮に居る」
「…あ…」
「わかったかね?彼女達はそこで保護されているロイ君達の面倒を見る為に、王宮での滞在を希望したのだよ」
「…っ!」
それを聞いたロザラムはぎゅっと唇を噛んで、拳を震わせた。
「それもこれも君がロイ君を殺そうとしていたからだ。我々が保護していなければ、見つかった時、君は彼を問答無用で斬り捨てている事は間違いないだろうからね」
「…待って下さい。どうして、彼女達は王宮へ来たのですか?」
「ロイ君の父親に彼が生きている事を伝えに行った時、姉妹とその両親がその父親の家に身を寄せていたからだよ」
「!」
ロザラムは大きく目を見開いて、息を呑んだ。
「君がロイ君を狙うのを止めれば、彼女達は王宮を出られる。だが、君がそれを止めない限り、彼女達はそこから出る事は無い。…どうするかね?ロザラム」
「…」
これまで…か…―\r
ロザラムは一つ大きく息を吐くと、
「わかりました。その二人を叩く任務、お受け致します」
と、言って、深々と頭を下げた。
「…君は…」
「?」
「…いや、何でも無い」