「・・・」
「だってさ、いつも相談受けてる時とか本当は、嫌だったんだよね。でも、恋も大事な友達だもん。恋ならって諦めようかとも思ったよ。でも・・・やっぱり公浩のこと好きだから・・」
そんなことを涙を流し名がら無理に作った笑顔で言われてしまって。
俺が出来る事などあるのだろうか。
幸いにして駅からは離れ、すでに人通りも多くは無い場所である。
震える由真の方を見ていたら、体は正直に動いてしまっていた。
「?!」
今、由真の表情は見ることは出来ない。
分かるのは、自分の心臓の鼓動と由真の温もりだけだ。
「なんで、無理に笑ってんだよ・・・最初はおめでとうって言ったくせによ〜、卑怯だよな・・・お前って」
俺の言葉に一体どんな反応をしたのかはわからない。
けれど由真の涙を止める事が出来るのならば、それだけで今はよかったと思う。
「だってさ、俺がお前の涙に弱いってわかってるだろ?それに・・さ・・俺も由真のこと好きだから・・・さ・・」
由真の体が一瞬跳ね上がるように感じた。
それは驚きからなのか、嬉しさからなのかは分からない。
しかし、俺は抱きしめた由真の体をゆっくりと遠ざける。
「公浩・・・は・・今付き合ってるんだよ・・駄目だよ。彼女以外の人に優しくしちゃ・・・」
由真はずっと我慢するのだろうか?
あんな表情を見せておきながら、それを気にしないでおけるほど俺は大人では無い。
※ここまで読んで頂きありがとうございます。しかし、読んで下さる方がいるのかわかりませんので…仮に続きが気になるというのならぱ、感想に一言『続き』とでもうってくだされば、早急に更新したいと想っております。