私は中学1年生の詩織。
ずっと好きだった。
京平の事が。
小学3年生の時から、
ずっとずっと。
当時の私は京平しか見てなかった。どことなく優しくてスポーツマンで明るい人だった。
一緒の班になれるだけで幸せだった。嬉しかった。
でも、彼が好きだったのは私じゃなかった。友達の咲だった。2人は同じ地域に住んでいて他とは違うくらいに仲が良かった。
その2人を見るたび胸が痛かった。
そんな時、
咲と京平と私と他の男子と同じ班になった。正直、困った。
ある日、班でタコ(手づくり)を飛ばす時間があった。ついでに記念写真も。撮った後で気付いたんだけど私と咲が京平を挟んだ形になっていた。
これって
取り合い...?
嫌だ。咲とライバルみたいな関係は嫌だ。だから、どうしても、それだけは避けたかった。
けれども、そんなのは以外と、あっさりやってきた。
咲「詩織の好きな人って、京平でしょ?」
えっ?今なんて?
「なんで?」
咲「顔に書いてある。でも本当でしょ?」
咲は知ってるんだ...
「ぅ、うん」
咲「じゃ、これからはライバルだね!」
そんなの、叶うわけない。自分でも解りきっていた。