ラトは一つ小さく息を吐いて、首を横に振った。
「ならば、今から我々と共に砦の外で奴らを待ち伏せしよう」
「わかりました」
ロザラムは頷くと、ラトと共に砦の外へと歩いて行った。
本当に、あの姉妹が大事なのだな…―\r
ラトはあの時に言い掛けた言葉を思い出して、ぎゅっと唇を噛んだ。
「ずあっ!」
グラムは剣を掲げると、大きな光の塊を空に打ち上げ、
「くらいやがれ!」
と、叫びながら、塊から放たれた無数の小さい光の塊を、ロザラムに向かって放った。
「ちっ!」
ロザラムは自分の周囲に障壁を張って、それらの光の塊を受け止めた。
障壁と塊がぶつかり合う音と光が夜の闇を駆け巡り、木はざわめき、草は爆風で儚げに揺れ動いた。
「ふうっ…」
攻撃が止むと、ロザラムは一つ小さく息を吐いて、剣に闇のエネルギーを集め始めた。
「グラム。素晴らしい力だ。…だが、まだ足りない…」
「…何?」
グラムは怪訝そうな表情で、ロザラムを見た。
闇のエネルギーが剣を覆い、黒い波動が辺りに充満すると、ロザラムは一気にそれをグラムに向けて放った。
「っ!」
グラムはそれを見て、すぐに障壁を創り上げた。
闇の波動が障壁を覆いながら回転を始め、襲いかかった。