エリザベスドール?(26)

ぐうりんぼ  2008-12-25投稿
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 その時、マーガレットが顔を見せた。

「旦那様、18分警察署のモグレ警部様からお電話が入っておりますが」

「後で私の方から電話するからって、伝えておいてくれ」

「それが…緊急の報告があるから、大至急出て欲しいとの事です」

「大至急だって?
 いったい何だろう?」

「ローズマリーとか言う人形の事でお話があるようです」

 まさか!

 ルークとジョージの表情が固くなる。

「分かった。すぐに電話をこの部屋に回してくれたまえ」 

「かしこまりました」

 ――――――――

 スーツ大学構内は夜だと言うのに、慌ただしい状況になっていた。

「緊急事態です!
 構内に残っている全ての職員、学生諸君は全員、速やかに学校外へ退避して下さい! 繰り返します…」

 非常事態を告げるアナウンスがキャンパス内に流れる。

 多くの学生たちが警察官に誘導されながら学校外へと出て行く。

 各門には警察たちによって立ち入り禁止のロープ張られ、中への立ち入りが出来ないようにガードされていた。

 上空にはいつの間にか、取材ヘリや警察のヘリが飛び回っている。

 普段は比較的静かな大学界隈も、今夜だけは物々しい雰囲気に包まれていた。

 4号研究棟の警備室に陣取っているモグレ警部や部下たち…

 外にいる警官たちを動かしていたマーティ巡査が戻って来た。

「警部、学校関係者の避難はまもなく完了です」

「分かった。軍の第1首都治安部隊が来たら、誘導してやってくれ」

「え? 軍が出動するんですか?」

「事態を重視したトイプードル首相が、首都公安局に指示したそうだ」

「わざわざ軍を呼ばなくても、我々だけで始末出来るのにィ」

「首相直々の判断だ。
 何か考えが、おありだろう」

「そうですか。引き続き、任に当たります」

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