翌日、野沢祥子はプロデューサーの古賀が来るのをいまか、いまかと待っていた。
古賀は作や、野沢が帰ってから、スタジオに篭り『明日の私』のアレンジを一晩かけて曲のオケを完成させた。
古賀のアレンジした曲が野沢祥子の歌声にどのような形でマッチするか古賀自身、楽しみにしてスタジオを後に世田谷の自宅へと戻った。
そして向かえて今日、野沢も古賀のアレンジを楽しみにしてスタジオ入りした。
古賀がスタジオ入りしたのは、昨日同様、2時を過ぎていた。
「おはよう」
「おはようございます」
「なかなか、いいのができたよ。あとは君の歌でどのように仕上がるかが楽しみだ」
古賀は、徹夜の疲れも見せずに言った。
野沢は、笑顔ではいと頷いた。