「はあああ…」
グラムは剣の切っ先に大量の光のエネルギーを集め、巨大な光輝く丸い塊を創り上げた。
「む…」
ロザラムはそれを見て、闇のエネルギーを全身から放出すると、剣の周りにそれを集めて、剣全体を闇のエネルギーで覆った。
凄まじい光のエネルギーと闇のエネルギーが砦の前で互いにぶつかり合い、大きな音を立てて弾けていった。
「行くぞ…ロザラム」
「こちらもだ…グラム」
二人はそう言い合うと、グラムは巨大な光の塊を、ロザラムは凄まじいエネルギーを持つ闇の波動を、それぞれ同時に相手に向かって放った。
闇の波動と光の塊がぶつかり合った瞬間、凄まじい風が発生して、周囲の木々は激しく揺れ動き、周りの騎士達は息が出来ずに顔を手で覆った。
「ぐおおお…」
「くく…」
ロザラムとグラムは顔を歪めながら、押されまいとして、必死で剣を相手に向けてエネルギーを送り続けた。
「ぐ…あ…」
しばらくして、グラムはもう限界だというような表情で、剣を降ろした。
その瞬間、闇の波動が一気に光の塊を消滅させ、真っ直ぐにグラムの身体に飛び込んで行った。
「ちく…しょお…」
グラムは飛び込んで来る闇の波動を見つめながら、小さく呟いた。