「エイト〜今日は上がっていいぞ〜」
「わかった〜なら散歩してくるから配達物をついでに届けるね〜」
「そうかい〜助かるな…これ頼むな」
「任せて父さん、それじゃ〜行ってくる」
エイトが外に出た時、風がエイトを包むように吹いた。
「うん、いい風だ」
エイトは風と戯れるように踊った。
「恥ずかしいから止めてよ」
エイトの後ろからエイトと同じくらいの年の少女が呆れた顔でエイトを見てた。
「これはこれはサイクロプス唯一の魔法使いシアン様じゃないか」
シアンの目は鋭くエイトを睨んだ。
「冗談はいいから踊るの止めなさい」
「なんで?楽しいよ」
「恥ずかしくないの?」
「別になんとも?」
「あっそ…」
シアンは頭を抱えた。
エイトはシアンがなぜ頭を抱えているのかわからなかった
「頭痛いなら自分の魔法で治せばいいよ」
「その前にエイトの頭治してあげるわよ」
「えぇ〜俺の頭は大丈夫だよ」
「大丈夫だったら治すなんて言わないわよ」
「…配達行こ」
「ちょ、ちょっと何よそれ」
「だって…シアンの話長くなりそうだから」
「あんたって人は…」
「今日も夫婦喧嘩かい?」
すれ違ったおばさんがエイトとシアンを見てニコニコ笑っていた。
「夫婦じゃないです!ただの幼なじみ」
シアンは顔を真っ赤にして反論したがおばさんはますます笑顔で去っていった。
「俺、配達行くからね…」
今度はエイトが呆れた顔をしてその場を足早に去っていった。
「待ってよ〜エイト〜」
シアンは慌ててエイトを追った。
俺はこんな平凡な毎日に幸せを感じていた。