「遅〜い〜!!」と廊下で私達のことを待っていたのは、隣のクラスの安達夏美だ。
「夏美〜♪桃ね実は…」
「あー!!真夢ダメ!!自分で言うからっ☆」
「え?なになに〜!!?」
「私……2年生の翔先輩と付き合うことになったの☆」
「うそー!!!!サッカー部の翔先輩でしょ?おめでとう☆」
私の心には、1つの疑問が生まれていた。
…桃はこれで何人目の彼氏だろうか?
中学1年生というのに髪を染めたりピアスを開けたりと、派手めな桃を「うざい」という女子の先輩はたくさんいた。桃は彼氏が途切れないのだ。
男子に興味のない私は、翔先輩っていう人のことなんて何も知らなかった。夏美が言うにはとても派手な人らしい。
俗に言う、チャラ男だ。
私はそういうチャラチャラした男が嫌いだった。
あなたに出会うまでは……