ある日のこと。四人の男A.B.C.Dが山登りをしていた。登りは順調だったが、下山が予定より遅くなり、暗くなってきてしまった。
そこで、近くにあった山小屋で休憩することにした。
A「いやぁ良かったな。近くに小屋があって。」
B「本当だよ。まぁ明日の早朝に出発すればいいだろう。」
その小屋は、何年も放置されていたのか、蜘蛛の巣だらけで薄気味悪かった。
C「どうする?どうやって寝る?」
D「鍵がないから皆で寝ない方がいいな。」
B「誰か一人見張りするか?」
A「それは流石にな〜。」
C「…あ!いい案がある。」
A「なんだなんだ?」
C「いいか?この部屋の四つの角に、一人ずつ寝る。Aが最初に自分の場所で30分起きておく。30分たったら右側の角にいるBを起こしにいって、Bの場所でAが寝る。そしたらBは自分の場所で見張りして、30分したらCを起こしにいく。それで一周したら、一人二時間寝れるぞ。」
B「…なるほど。三周くらいで明るくなるな。」
皆この案に賛成し、さっそく寝ることにした。
Aは最初の見張りを終えて、Bを起こしにいった。
A「おい、交代だ。」
B「…ん?あぁそうか。意外と真っ暗だな。とりあえず寝ろ。」
やっと寝れる。そう思い、Aはすぐに夢の中へいった。
…二時間後…。
肩を叩かれて、Aは目が覚めた。
A「ん〜…あぁ交代か。」
ウトウトしながらも、Aは二度目の見張りをして、30分後にBのところにいった。
…Aは驚いた。Bは起きていた。すっかり青ざめて、ブルブルと震えながら…。
A「…おい、大丈夫か?」
Bは何も言わない。
A「おいおい!しっかりしろ!大丈夫か?」
B「…無理なんだ…この見張りのやり方は…。」
A「…は?どういう事だ?」
B「Aは最初に自分の場所で見張りをして、俺を起こした。そして俺の場所で寝たんだよな?」
A「そうだ。なにもおかしくないだろ。」
B「…おかしいんだよ!そうなると、最初にAがいた場所には誰もいない。だとしたら、Dは誰を起こしにいったんだ…?」
…Aは一気に血の気が引き、ブルブルと震え始めた。
B「…この見張りのやり方は、五人いないとできないんだ…。」
A「…じゃあ……。」
B「…お前、誰に起こされたんだ…?」