…そっか。そうだよね。人を好きになるのは、素敵なこと。純粋で、綺麗なこと。だから、もう私は恋なんてできない。
「ありがと」
また涙が零れ落ちそうなのを必死で堪えた。
「元気出せよ」
哲平が優しく私の頭を撫でる。
先生とは違う。先生は、私のことなんて何一つ気付いてくれなかった。
なんて、また考えちゃってるよ。忘れなきゃいけないのに。
「アイツ、二股してたんだ。だけど、私を選んでくれなかった」
私を捨てて、私に内緒で、いつの間にか指輪がはめられていた。
「俺、知ってたよ。お前と、立花のこと…」