『カヤノ見て。
メッセージツリーがあるよ。』
『ホントだ。
わたし達も書こうよ。』
食事を終えてから、
クリスマス・イブの夜を、ゆっくりと満喫していたわたし達。
『ねぇねぇ、颯太は何て書いたの?!』
『えっ?!カヤノこそ‥何て書いたの?!』
『よぉし。じゃあ、お互い見せ合っこしようよ。』
『え〜っ?!マジで?!僕まだ書き終わってないよっっ。』
『早く書けよ!!』
久しぶりだった。
こんなに心の底から笑ったのは。
颯太といると、
なんか、すごく素直な気持ちになれる。
『今飾られている、このメッセージが、10年後に再び、このツリーに飾られるんだって。
もちろん、僕とカヤノのメッセージもね。』
『へぇ‥‥ステキね!!タイムカプセルみたい!!』
10年後のわたし。
一体何をしているんだろう。
『ねぇカヤノ。サンタクロースって、本当にいると思う?!』
『えっ?!』
颯太の質問に、
一瞬固まってしまった。
『例えばさ、サンタの本当の正体は少年で、おじいさんの姿は、この世を忍ぶ仮の姿だとか‥さ。』
『あはは。颯太って面白いね。
どうやったら、そんな発想が生まれるの?!』
『知ってた?!サンタは実在するんだよ、カヤノ。』
『あっはっは。はいはい。そうだね♪
わたしも小さい頃は信じてたなぁ。
でも、いつしか本当の事を知ってしまった時のショックは大きかったわ。
サンタは両親だって。
いい子でしょ?!
ちゃんと寝た振りをしてあげてたのよ。』
『本当のサンタは、みんなに幸せを届けに来るんだよ。
物質的なモノじゃないんだ。』
『あっはっはっは。
颯太、すごい真剣な目をしてる!!
可愛い〜〜っっ!!』
『‥‥‥‥。』
『あれ‥‥?!
ごめん‥‥。怒っちゃった‥‥?!』
『知らないっっ。
僕、真剣に話してるのに‥‥‥。』