ここはどこだろう
朝起きるたびに自分に問い質す
ここは世界のどこなのか
天井のシミはどこの世界の家の中にもある
いつもと違うのか?
仰ぎ見る
なんら変わりはない
匂いは…
変わらない
かなり自分の生まれた国とは違い、刺激臭のある香辛料の香りいっぱいが、この安宿の集団部屋を満たしている
匂いは…
まいったな…
今朝は別の匂いがする
女の匂いだ
僕は十九歳
平均でいえば女の子に夢中な年かもしれないが、そうでもない
正確にいえば、女の子が好きだから女の子とセックスする店には沢山行くけれど、普通に女の子と話すことはあまりない
そんな僕がはからづしも女の子とのセックスもご無沙汰で、突然日常に入り込んできた女の匂いにとにかく心が掻き乱されてしまい、大きな吐息をつき、隣のベッドの外人からもらった大麻を一服し、反対のベッドに越してきたその女を当たり障りなく眺めるしかなかった
まいったな…
「日本人の女か…