哲平の声は心なしか震えていた。
「えっ…?」
私の声も上ずってしまう。
「俺…前から知ってた。お前らが付き合ってるの。立花に他に彼女がいたことも」
哲平の話では、放課後私と先生が準備室で二人でいるのを見たことがあるそうだ。そして、街で先生を見掛けたことがあるらしく、一緒に歩いていたのは別の女性だったと言う。
「なんだ。知ってたんだね」
なんだか悲しくなってきた。
「俺じゃダメか?」
鼓動が一瞬にして大きく鳴った。
「ずっとお前を見てたんだ。ずっと…好きだったんだ」