私は無力だ。なんにも出来ないし、誰かを助かることも出来ない。そう、私の大切な人が危機になってもなにも出来なかった。『あ〜。また、こんな時間になっちゃった。また、亮ちゃん待たせちゃう。』私の名前は秋元奈々香。今、私はすごい急いでいる。何故なら日高亮一君という幼なじみが入院している病院に向かっている。『亮ちゃん、あんまり人と関わりを持ちたがらないからな〜。』そう、亮ちゃんはあまり人と喋ろうとしない。やっぱり、あの時のことがまだ忘れられないのだろうか?『それじゃ、私のことも許してくれてないのかな?』そんなことを考えていると亮ちゃんの病室についていた。『今、そんなこと考えないで、いつもの私でいこう。』ガラガラガラ『ごめんなさい。亮ちゃん。今日も少し遅れ・・て・ぇ?あなた、誰?』『アハハ、どうも〜』この笑う女の子は誰だろう?そんな気持ちで亮ちゃんを見ると、『よ!奈々香、まだ日が昇る時間に来るとは珍しいな。最近、夜に来ているから、今日も来るのは夜かと思ってたぞ。』『あの〜亮ちゃんその娘・・・誰?』『あ〜、奈々香はコイツと会うのは初めてだったな。コイツは森ノ宮恵美という僕の仕事を邪魔する女だ。』『ど〜も。森ノ宮恵美です。え〜と、亮一君。私にも説明してもらうと助かるよ。』『さっき話してた幼なじみだよ。名前は秋元奈々香。僕達と同い年だよ。』私は、すごく驚いた。亮ちゃんが入院先で女の子の友達を作っていたことに、私はびっくりした。・・・・・
『アハハ、どうも〜』私は、この瞬間思った。激しく帰りたい!と私はこの場の空気を壊しかねない。『僕の仕事を邪魔する女だ。』気がつけば、私の説明をしていた。『ど〜も。森ノ宮恵美です。え〜と、亮一君。私にも説明してもらうと助かるよ。』と私は亮一君に説明を頼んだ。・・・・
僕は、思った。この病室の人口密度が増えてしまった。僕は一人の方が気が楽でいいのに。・・・
『よろしくお願いします。森ノ宮さん』と私は挨拶をした。『あ、こちらこそよろしく奈々香ちゃん』といきなりちゃん付けで呼ばれました。『それと、私のことは恵美でいいですよ。』『あ、解りました。恵美さん。』でも、この人とは仲良く出来そうな気がします。・・・・