相変わらず騒がしい小屋の戸がゆっくりと開かれ、中から丸い顔の大男が顔を出した。
「なんだい?」
「あ、ああいや、雨宿りをさせてもらいたいんだが」ラウフが言うと大男はニッと笑い三人を招き入れた。「悪いな。」
「いやぁいいのよ。
酒は大勢で騒ぎながら飲むのが旨い。
何しろこの雨だ。あんたたちも大変だろ。」
ガハハと怪獣のように笑う大男。
「俺たちゃ狩人でな。
この嵐じゃ動物たちも出てこないし崖崩れもあって危ない。だから嵐の日はこうして酒を呑みながら陽気に過ごすのよ。」
ま、あんたたちも楽しんでくれや、と言い大男はまた仲間の中へと戻って行った。
「陽気な人たちですね。」
「ああ。」
「ほら、飲め飲め若いの!」強引に勧められる酒。
「わー!!俺はまだ未成年だぁ!」
「気にすんな!バレなきゃいいんだよバレなきゃ!」んなバカな。
勧められる酒と料理の嵐の中、ある男が言った。
「そういや、フォーはどこだ?谷の方から下ってきてるはずだが。」
「もうちょい先で足止め食ってるんじゃないか?」
「フォーってのは?」
「あぁ、谷に住んでる俺たちの仲間だ。」
「谷……。」
何だか、変な予感がする。