高校生活も今日で二週間目に突入。
まあ最初の頃よりは、皆クラスに馴染んできたのかなって感じ。
二週間経った今でも、相変わらず恵梨は俺にずっと着いてくる。
最近では登下校時まで俺のことを待ち伏せしてるみたいだし。
あいつ、俺以外に友達いねぇのかな…。。
七限目が終り、ホームルームが始まった。
担任がつまらない話を長々と喋っている。
「シュン」
後ろから小声で恵梨に呼ばれた。
「なに?」
「今日も一緒に帰ろーね」
「好きにしろ」
俺はそれだけ言うと、またすぐに前を向いた。
(ちょっと、言い方キツかったかな…)
妙な罪悪感が湧き出てきたが、とりあえず今は放置。
そしてホームルームも終り、皆が帰り始める。
俺は下駄箱で恵梨を待っていた。
「やめてください!」
突然、三年生の下駄箱のほうから聞こえてきた悲鳴混じりの声。
聞き覚えのある声だった。
「恵梨?」
恐らくナンパをされていたのだろう、恵梨が三年連中に強引に絡まれている風景が瞳に映った。
「恵梨に手出さないでもらえますか?」
「…シュン」
「はぁ??
てかお前誰?」
「俺、恵梨の彼氏です」
………