カリンがPrivate labelというブランドが好きな事は付き合い始めた頃から知っていた。だから俺はクリスマスにPrivate labelのプラチナリングをプレゼントした。
右手薬指にリングを通してあげた後のカリンの嬉しそうな表情、それが俺にとって最高のクリスマスプレゼントだった。
なのに…
本当に見返りなんて求めて無かった。
なのにカリンは
『お返しに何をプレゼントしようかなぁ!?』
と言い、考え始める。
そして何気に俺の顔を見て
『シュウジの眼鏡って、かなり使い込んでいるよね。フレーム若干斜めだし。よし決めた!』
そう言って、拒む俺を眼鏡屋に連行…。
結局、カリンから眼鏡をプレゼントして貰ったけど、リングより高くて申し訳無い気持ちで一杯の反面、凄く嬉しくて…
…大切に使い続けよう…
そう心に誓った…
事を思い出す。
あれから5年の月日が経ったが、今もカリンと一緒に居る。
あの眼鏡は今も大切に使い続けているが、最近はレンズの度が合わなくなってきていた…
事をカリンには黙っていた…
けどバレてしまった。
『シュウジさぁ、最近モノを見る時に目を細めるよね!?よし決めた!』
クリスマスに俺は再び眼鏡屋に連行される嵌めに…でも俺は店員に、こうお願いをした。
「フレームは全く傷んでないのでレンズだけ交換して下さい。」
5年前、心に誓った通り大切に使って来たし、デザインも決して古くないし…
出来上がった眼鏡を掛けると、やはり目の前の世界は鮮明になった。
カリンの顔が鮮明に見える…
先にプレゼントしていたPrivate labelのネックレスも鮮明に光り輝く…
そして…
娘と息子の顔も又鮮明に…
カリンと結婚して4年の月日が経った。
俺とカリンの左手薬指にはPrivate labelの結婚指輪がはめてある。
「今日はクリスマスイヴだからさぁ、たまには外食して帰りますか!?」
『賛成!帰ったらデザートに手作りケーキを召し上がれっ!!』
…Merry Christmas…