カヤノコイXイブサンタ?

麻呂  2008-12-30投稿
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『あれ?!カヤノじゃん?!』



こんな、ばったりと出会えてしまうとは思わなかった。



さっき別れたばかりの男、



草島が、



その横に清純そうな可愛らしい彼女を連れて、



わたし達の前を通り過ぎて行こうとしていた。



『カヤノ。もしかしてコイツ?!

お前の気になる相手ってのは。』



通りすがりに吐き捨てる様に言われた言葉。



その声はもちろん、


わたしの隣に立つ颯太にも聞こえている。



『あんたに関係ないでしょ?!

それに、初対面なのに、“コイツ”とは何よ?!失礼だし。』



何て奴!!



『颯太、早く行こう!!』



わたしがそう言いかけた時、



颯太は、草島に向かって笑顔でこう言った。



『初めまして僕、カヤノのカレシです♪』



えっ?!



その時の草島のポカンとした表情が、



なんとも、こっけいで、



草島が行ってしまった後、



わたしと颯太は顔を見合わせて大笑いした。



『あっはっは。見た?!草島の顔!!

颯太があんな事言うから。

アイツ、すっかり信じてるよ、きっと!!

ごめんね!!

助かっちゃった。』


『どうして謝るの?!』



『え‥‥だって颯太今、カレシの振りをしてくれたじゃん。』



『振りじゃないよ。』



『えっ?!』



『だって、僕達今日1日は恋人同士でしょ?!』



あ‥‥。



なんだ。



そういう事か。



颯太の言葉に、



わたしは一瞬ドキッとした。



そして、



君のその愛しい笑顔に胸がキュンと痛くなった。



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