少年Bの不思議な日記

紅葉  2008-12-30投稿
閲覧数[339] 良い投票[0] 悪い投票[0]

今日から日記を書こうと思う。





今日、いつものように放課後の美術室で一人部活をしていた。

窓から夕日が入ってきていて、色で言えばオレンジ。オレンジ色の美術室だった。

しばらく風景画を描いていると、いきなりドアが開けられた。

入ってきた男と目が合った。確か同じ学年の肇(はじめ)とか言うやつだ。変わり者として知られている。

「美術部のBか?」

彼は開口一番にこう言った。

僕はなにがなんだか分からず、そうだけど、と言った。

「なあ、頼みがあるんだ」

どんな頼みなのかちょっと気になったから聞いてみることにした。

「俺を石像にしてくれ」

よく意味が分からなかったけど、変わり者らしい変わった頼みごとなので理由を聞いてみた。

「長くなるけどな………」

と、延々彼の『一瞬と永遠について』の持論を聞かされた。

本当に長くてよく聞いてなかったけど、「石像こそ一瞬の究極の美」とか言ってた気がする。

色々言ってたけど結局は理想に最も近いかたちで現実から逃げたいだけなんだろう。

なんだかんだで話しを理解していた自分に驚いた。



「な、頼むよ」

僕は石膏をあまり使ったことがないし、彫刻は不得意だということを理解してもらった上で、彼の頼みを承諾した。

「それじゃあ、また明日な」

明日の放課後に決行することを約束して今日は別れた。

帰りに、石膏を買って家に帰った。

あとの道具は美術室にあるから大丈夫だろう。





明日はどんな一日になるのだろう。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 紅葉 」さんの小説

もっと見る

日記の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ