ある冬、雪の降る日に2

春歌  2008-12-30投稿
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昔から怖かった。気付かないふりをしてきたけど、お母さん…。
やっぱり、あたしは捨てられた…。

隣の家のはなこが笑っている。昨日、今日の晩御飯ははなこの大好物だって嬉しそうに話してた。

寒い。
昨日の雨よりも今日の風の方が何倍も寒い。
手足の感覚がなくなってきた。

公園のベンチの下にうずくまる。
寒さは全く変わらない。ただ、休みたかった。
遠くでどこかの家の中から子供の泣き声が聞こえてくる。

あたしは、お母さんの娘のみわちゃんをぼおっと思い出した。
みわちゃんはお母さんがあたしを追い出そうとしたら、大声で泣いた。
まま、やめて!
ナルミを捨てないで!
やだぁっ…やぁだぁぁーーー…!!
大粒の涙があたしの上に落ちてきて、あたしは足が震えて。

どうしようもなく悲しかった。

まま、どうしてナルミをどっかへやっちゃうの!?

お母さん、あたしも知りたい。どうしてあたしを捨てたの…?

伝えようのない疑問は胸の内に積もっていく。
でも、きっとあたしが喋れたとしてもお母さんは答えてはくれない…。

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