春…出会いの季節
初々しい女子高生がオレを呼んでいる!
春って素晴らしい!!
身体いっぱい深呼吸する
『春って素晴らしいって思ったろ?留年クン?』
こいつはオレの親友で秀才の友永春樹。見事心を読み取る。
オレは1年の時オンナ遊びが過ぎて出席日数が足らず留年。まぁ気にしちゃないけど
入学式。春樹は先生に頼まれ、オレはかわいい子を狙うため手伝う。
正直めんどいけど他の男に先に見つかってほしくないレアな子もいるはずだ。
とか言うと真面目に仕事はしているかに見えるが実際は体育館裏。電話中だ。
『もしもし。みかちゃーん?あのね…』
いつもこんな調子。暇であれば女の子に電話をかけ、寂しいのであれば泊まりに行く。
こんな毎日が別に嫌じゃなかった。
むしろラク。
そうこうしている間にオレの仕事がやってきた。
オレの仕事!
『オメデトウゴザイマス』
と言って胸に刺す花を渡す。これで女の子のチエックをするわけだ。名前と照らし合わせるから一石二鳥ってやつ?
並、並、上、下、上並…
今年はまぁまぁかな。俺らの学年は豊作だったけど。
受付終了!っと思った時
『すみませーん。受付ってここですか?』
一瞬で目を奪われた。後ろでは遅咲きの桜が舞っていて…オレは彼女に魅入ってしまった。
『あのっ…』
そう言われて慌てて名前を確認。花を渡して見送る…
見送る!?いつものオレだったらこの後誘ったりしたじゃん!
自分が自分じゃないみたいで笑えた。
あとで同じクラスで隣の席って知った時は運命だと思った。
こんな気持ち初めてだ。すごいドキドキする。
だから即告った
結果は振られた…
振られたけど一緒にどうしてもいたかった。
頼んで友人として一緒にいることを許可してくれた。
彼女を狙う輩は多くて近づくやつはちゃっかり排除してた。
仲いい男はオレだし、1番近くにいるのもオレ
だから恋人としてじゃなくても1番好かれてるのもオレだと思ってた…
なのに…
『はぁ〜』
何十回目のため息をオレははいた。