エリザベスドール?(28)

ぐうりんぼ  2008-12-31投稿
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 あの人間の男…
 ルーク・ハリーがいるからなのね?」

「ルークカラ、ハナレタクナイノ」

 妹エリザベスの…

 今も変わらぬルークへの思いに、ローズマリーは呆れるばかりだ。

「アンタったら、ジーナ・バーソロンの魂は抜けても、あの女の恋心までは抜けてないのネェ?」

「ジーナノ、キモチ…
 ワタシノ、キモチ」

「ふーんなるほどォ。
 だけど…
 アンタがあの人間に惚れていても、向こうはアンタを化け物人形としか見ないじゃない。
 分かってんの?」

「ワカッテル…。
 デモワタシハ、ルークヲ、アイシテル」

「あのねエリザベス…
 向こうはアンタを嫌っているのも同然なの」

「ワタシハ、ルークガ、スキ」

「でもアンタは嫌われている」

「ワタシハ、スキ」

「だから、アンタの事は嫌いだって!」

「ワタシハ、スキ」

「人間の男を好きになっちゃ駄目ッ!」

「ワタシハ、ルークガ、スキ」

「エリザベス!」

 言う事を聞かない妹に、ローズマリーは段々と苛立ちを感じて来た。

「ルーク、ダイスキ」

「イイ加減にしてよ!」

 と言って、ローズマリーはケースの台をドンと足蹴りした。

 エリザベスは言う事を聞かないばかりか…

 自分の思いを強調したいのだろう…

「ルークガ、スキ!
 ルークガ、スキ!
 ルークガ、スキ!
 ルークガ、スキ!
 ルークガ、スキ!…」

 と言う台詞を繰り返す始末。

 ローズマリーとしてみれば、からかわれているような気分だろう。


 エリザベスの言葉を遮るように、ローズマリーは声を大にして言う。

「うるさーい!」

「ワタシハ、ルーク…」

「お黙りッ!」

「…」

 溜め息付くローズマリー。

「バカじゃないのッ!?
 同じ事を何度も言ってからッ!」

「ルークゥ…」

 姉に怒られたからか…

 今度は泣き出した。

「あー分かったわッ!
 アンタの好きなように、おやりなさい!」

 こりゃあ駄目だと、ローズマリーは思った。

 妹エリザベスは純情だけど、甘えん坊で凄く頑固な面も持っている。

 以降、ローズマリーは黙り込んだ。

 すると…

 エリザベスは恐る恐る、姉に話しかけた。

「ローズマリー」

「…」

「ローズマリー」

「なあに?」

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